不動産仲介トラブル事例37:前所有者のときに悪臭などの紛争があった土地について、売主業者が、安全性、快適性に関する調査説明を怠ったとして、損害賠償が命じられた事例

本ブログでは、不動産業者向「令和4年度版 宅地建物取引士 講習テキスト」
記載の事例について記述します。

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紛争の内容

① 買主Xは、平成2年8月、売主業者Yから分譲地の一区画である本件土地を購入、あわせてYとの間で建物建築の請負契約を締結。完成後、Xは同建物に入居した。
なお、土地売買代金と建築工事請負代金の合計額は、約2,500万円であった。
② 平成16年に、市による本件土地の上下水道の給水管の取替工事が実施された際、油分を大量に含んだ悪臭を放つ黒い汚泥が発見され、土壌分析が行われたところ、土壌汚染対策法に基づく土壌溶出量基準を超えたトリクロロエチレン、ベンゼン、ジクロロエチレンと油分等が検出された。
③ 本件土地をYが販売するまでの経過は、概ね次のとおりであった。
ア 本件土地をYが取得する以前、本件土地にはA工業の工場があり、廃白土(食用油会社の油の処理工程で使用する活性白土に油分が吸着したもの)を原料として、石けんやペンキの元となる油を生成していた。しかし、この工場の実態は産業廃棄物処理業であって、近隣住民は悪臭、工場内の廃白土、汚泥、水質汚濁等の環境悪化を訴える状況となり、本件土地に隣接する住宅団地を分譲していたYにも苦情が寄せられていた。
イ Yは、A工業に悪臭等の改善を要求するなどしていたが、対策は講じられず、最終的にYとA工業の間で「A工業は操業を停止し、土地上の廃白土、油脂付着物等を除去して明け渡す。Yは、A工業に対し、建物除却費用及び移転費用等を支払い、工場跡地を購入する。」等の内容での調停が成立した。
ウ Yは、本件土地を含む工場跡地を取得後、消臭工事等の対策を講じたうえ、工場跡地を宅地造成して順次分譲し、Xは、本件土地を購入した。
④ 平成19年に至り、Xは、Yは宅地造成して販売すべきでなかったのに販売した、売主として本件分譲地の履歴等を説明すべきであったのにしなかったなどを理由に、Yに対し、不法行為に基づく損害として、土地建物取得費、慰謝料及び弁護士費用・合計約5,900万円の支払いを求めて提訴した。

<紛争関係図>

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各当事者の言い分

買主Xの言い分

① 不動産販売業者は、健康的にも社会的にも安全な土地を提供する義務がある。本件分譲素地の取得前の状況からすれば、Yは、本件土地に健康を害する物質等が含まれることを予測できたのであり、そのような土地を宅地造成し販売したことは不法行為(民法第709条)にあたる。
② 健康に害を及ぼす危険のある土地を販売する以上、土地の履歴等を説明すべき義務がある。Yが安全性・快適性に関する情報の調査・報告をしなかったことは不法行為(民法第709条)にあたる。

売主業者Yの言い分

① 従前の工場について悪臭等の問題はあったが、土壌中に有害物質が存在することは認識していなかった。また、土壌汚染対策法が制定されたのは平成14年であり、分譲地の販売当時には予測もできなかった。Yは悪臭等に対する十分な措置を取って分譲地の販売を行ったのであり、これが不法行為になることはない。
② Yは本件土地の危険性を認識し得なかったのであり、認識し得たこと等を前提とするXの主張は認められるべきではない。
③ Xの損害賠償請求権は、時効により消滅している。

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本事例の結末

裁判所は、以下のように判示し、買主Xの請求を一部認め、売主業者Yに損害賠償を命じた。
① 売主業者Yは、本件分譲地中に廃白士、汚泥、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分等が存在する可能性があるとの疑いを抱き得るとしても、実際に、同地中にいかなる物質が含まれているか、また、その物質の有害性について、A工業の操業実績等から直ちにこれを認識することができたということはできず、Yが本件分譲地を販売したことが、買主Xに対する不法行為にあたることはない。
② Xと契約を締結した際、Yは、自身が本件分譲素地を購入する以前、A工業の工場操業が原因で生じる悪臭や水質汚濁等が問題視されていたこと、周辺団地の住民から苦情が寄せられていたこと、県や市がA工業に対し、再三にわたり行政指導を繰り返していたが、それに従う対策は講じられなかったこと、本件分譲地がYに引き渡された際、同地には悪臭が残存し、表面には灰色がかった土が存在していたこと等について認識していたということができる。また、契約当時においても、土壌中の汚染物質の規制は存在していなかったが廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレンに関する規制自体は存在し、油臭による不快感・違和感が生活に支障を生じさせ得ることも一般的に認識されていたと考えられる。
そうだとすれば、Yは、安全性、快適性に関するより詳細な情報を収集すべく調査をした上で、その調査内容を説明するか、このような調査をしない場合は、少なくとも、認識していた上記の各事情のほか、同地中に存在する可能性のある物質は、居住者の安全を害し得るものであり、生活に不快感・違和感を生じさせるものであることを説明すべき義務があったといえる。
Yには上記義務の違反があり、不法行為を構成するものである。
③ 損害額としては、本件土地建物の市場価格は近傍相場の50%になると認められるから、土地売買代金及び建物工事請負代金の50%に相当する1,250万円と弁護士費用120万円の合計1,370万円が認められた。

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本事例に学ぶこと

① 本件は、17年前の売買契約等について、売主業者が土壌汚染についての説明義務を怠ったことによる不法行為責任が認められた事案である。
② 売買をした平成2年当時、土壌汚染対策法は制定されていなかったが、廃白士、ベンゼン、トリクロロエチレンの取扱に関する規制はあり、その危険性や、油臭により生活の快適さが失われることは一般に認識されていたことから、土地取得の経過により、これらの物質が土壌に含まれ、安全性や快適性が損なわれた土地であることを認識し得たのに、調査報告しなかったとして損害賠償を認めた。
③ 瑕疵担保責任に関しては、フッ素について売買当時に規制がなかったことから瑕疵担保責任を認めなかった判例があるが(最高裁・判決平成22.6.1民集64巻9号953頁)、同判例は、単に規制がなかっただけではなく物質としての危険性も認識されていなかった点に、本件との違いがある。土地取得の経過から明らかに危険性を認識し得た場合には、土壌汚染についての規制がない場合にも損害賠償が認められることがあることに注意を要する。
④ なお、本件では、消滅時効については、汚染の原因を知ってから3年の時効期間が経過していないとして、これを認めなかった。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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