不動産仲介トラブル事例32:第2種高度地区の規制内容の告知義務違反による損害賠償責任が、媒介業者だけでなく売主業者にも認められた事例

本ブログでは、不動産業者向「令和4年度版 宅地建物取引士 講習テキスト」
記載の事例について記述します。

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紛争の内容

① 買主Xは、平成18年6月、宅建業者Y1から東京都内にある土地建物を宅建業者Y2の媒介で、代金2,830万円で購入し、同年7月に物件の引渡しを受けた。Xは、地上の既存建物を取り壊したうえ、本件土地に居宅兼工房を建築することを予定しており、購入にあたって建築士Aにも確認していた。
② 本件土地は、建ぺい率80%、容積率300%、第2種高度地区であった。Xは、本件土地上に延べ面積100㎡程度の建物を建築することを希望していたが、本件土地の面積は33.02㎡であり、建ぺい率80%であることから、4階建の建物の建築が必要であった。
ところが、本件土地を含む地域は、「第2種高度地区」にあり、高さ5m以上の部分が斜線制限に服するため、一般的な階高により建築した場合、3階部分の一部が斜線制限の影響を受け、現実には、延べ面積100㎡程度の建物を建築することができなかった。
③ Y2は、本件売買契約に先立ち、Xに対して重要事項説明を行ったが、その際、本件土地の建ぺい率、容積率、第2種高度地区の区域内にあることは説明したが、制限内容の具体的な説明及び資料の添付はしなかった。
④ Y1は、重要事項の説明には同席しておらず、Xがどのような建物を建築するかは知らなかった。
➄ Xは、既に本件居宅兼工房の建築実施設計をB設計事務所へ依頼していたが、建築を断念し、本件土地を転売した。
⑥ Xは、転売に要した諸費用、設計監理業務報酬、慰謝料、弁護士費用等の損害賠償を求め、平成19年10月、裁判所に訴訟を提起した。なお、建築士Aとは別途、和解済み。

<紛争関係図>

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各当事者の言い分

買主Xの言い分

① 本件土地上の延べ面積100m程度の建物建築を明示しており、第2種高度地区の規制の内*容はきわめて重要な事項であるが、説明を受けていない。
② 媒介契約締結時に、Y2の宅地建物取引主任者は、「4階建は問題なく建つ。」と誤った説明をした。3売主Y1は宅建業者であり、売主の重要事項説明義務は、他の宅建業者が売買を媒介した場合でも免除されず、Xに対し、重要事項説明義務を負う。

売主Y1の言い分

① 媒介業者Y2は、「第2種高度地区」について説明している。
② Xの建物の建築計画は聞かされていない。
③ Xは、建築士がついていて、本件土地上にどの程度の建物が建築可能かにつき理解している。

媒介業者Y2の言い分

① Xは、売買契約を締結するにあたり、建築士Aと相談しており、本件土地上にどの程度の建物が建つか口出しさせなかった。
② 重要事項説明書に基づき、「第2種高度地区」の説明はしており、4階建の建物が建つという説明はしていない。

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本事例の結末

判決では、Y1、Y2の説明義務違反(債務不履行)を認定し、Xの損害賠償請求の一部を認容した。

(1)Y2の説明義務違反について

① 媒介業者Y2は、売買契約の当事者であるXに対し、媒介契約に基づき、都市計画法・建築基準法その他の法令に基づく制限に関する事項の概要等の重要事項を説明する義務を負う。
 Y2は、本件媒介契約に基づき、本件土地に関する法的規制を説明する義務を負うところ、本件においてはXから本件土地に延べ面積100cm程度の建物を新築する予定であると告げられていたのであるから、単に存在する法的規制の種類、名称等を告げるのみでなく、本件土地に課せられた法的規制の具体的内容の説明を通じて、Xの希望に沿う建一物が建築できないことも説明すべきであった。
②Y2は、Xの希望を事前に認識したうえ、Xを本件土地建物に案内しているのであるから、案内の際に、事前に規制を調査したうえ、同規制によりXの希望に沿う建物が建築できないことを説明することができたはずである。
したがって、Y2には、本件媒介契約に基づく説明義務に違反した債務不履行がある。

(2)Y1の説明義務違反について

① 宅建業者が宅地建物の売買の売主となる場合、買主となろうとする者に対し、業法第35条第1項各号に規定された重要事項について、説明義務を負い、同義務は当該売買を他の宅建業者が媒介した場合でも、免除されない。_Y1は、本件売買契約の売主として、Xに対し、本件売買契約に付随する義務として、重要事項説明義務を負う。
② Y1は、Y2を通じてXが本件土地に建物を新築予定であること、Y2の重要事項説明書には「第2種高度地区」と記載されているだけで、添付資料中に同規制の内容について説明する資料が含まれないことを認識していたところ、本件売買契約当日にY2の説明に立ち会っていれば、Y2の説明が不十分であることを認識することができ、Y1自らが十分な説明をする機会があったにもかかわらず、別室で待機し、何らの説明をしていない。
Y1は、Y2を信頼し、説明の機会を放棄したことをもって、Xに説明義務違反による被害を転嫁することは相当とはいえない。
したがって、Y1には本件売買契約に付随する説明義務に違反した債務不履行がある。

(3)損害賠償について

Xの請求した損害のうち、本件土地の転売に要した諸費用等の請求は認めたが、慰謝料、弁護士費用は損害として認めなかった。
そして、Y1とY2は、それぞれの立場において、Xが被った同一の損害を填補するものであるから、不真正連帯債務の関係にある。

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本事例に学ぶこと

① 土地の売買において、建物を新築する予定の場合(購入目的が告げられている場合)、予定している建物が当該土地の法的規制に照らして建築できるかどうか(購入目的が達成されるかどうか)、具体的に正確に説明する必要がある。
② 業者の重要事項説明に際して、本件事例のようなケースでは、法的規制の種類、名称等出を告げるだけでなく、法的規制の具体的内容を通じて、買主の要望に沿って買主に十分な理解をさせる説明をする必要がある。
③ 業者が通常負うべき説明義務は、買主が専門家等に相談していたとしても免れるものではない。
④ 業者である売主については、他の宅建業者に宅地建物売買の媒介を依頼した場合でも、重要事項説明義務は免除されない。媒介業者に重要事項の説明を委ねるという慣例は、決して抗弁とならないことを認識すべきである。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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