不動産仲介トラブル事例31:投資用物件の売却において、空き地があるから駐車場収入を得られると広告で表示していたが、実際には条例によって空き地の一部を駐車場として貸すことができなかったために、売主と媒介業者の説明義務違反による損害賠償請求が認められた事例

本ブログでは、不動産業者向「令和4年度版 宅地建物取引士 講習テキスト」
記載の事例について記述します。

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紛争の内容

①買主X(個人、非宅建業者)は、平成27年12月28日、売主Y1(会社、宅建業者)から、Y2(会社、宅建業者)の媒介によって、投資用アパート(以下「本物件」という)を、売買代金5,680万円で購入した(以下「本件売買」という)。
本物件は4室のアパートとその前面の駐車場であり、アパートは、Y1によって設計・建築がなされていた。本件売買は、賃料収入を得ることを目的としていた。
②Y2は、Y1から得た情報をもとにして、「希少駐車場2台分付」と記載した販売広告を作成し、これをXにメールで送信していた。販売広告には、想定賃料についてワンルーム4室が25万円(6万円が2室、6万5,000円が2室)、駐車場が4万3,200円(2万1,600円が2台)と記載されている。
③本物件売買契約締結後、駐車場のうち1台分のスペースについて、東京都建築安全条例の定める「窓先空地」(注)であり(同条例第19条第1項第2号ロ)、物を置くこと新ができないことが判明した。そのため、本物件においては、駐車場2台分の収入ではなく、駐車場1台分の収入しか得ることができないことになる。
④Xは、Y1及びY2に対して、駐車場の収入について不正確な情報を提供して売買
契約を締結させたとして、不法行為による損害賠償を請求した。

(注)「窓先空地」とは、共同住宅における火災時の避難を容易にするために、共同住宅の敷地のうち、1階の住戸の窓に直面する敷地部分において、一定の幅員の空地を設け、その空地を避難経路として利用できるようにするものである。

◎本件の窓先空地規制の内容
1階住戸の窓に直面する敷地部分は、幅員1.5mの空地を設けて避難経路とし、物を置くことができず、駐車場として使用することができない。

<紛争関係図>

<物件の現況図面>

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各当事者の言い分

買主らの言い分

①実際には1台分しか駐車場収入を得ることができない物件であったのに、販売広告には2台分の駐車場収入を得られる旨記載されており、正確な情報が提供されなかった。Y1とY2はいずれも宅建業者であり、信義則上、売主であるY1には正確な情報を提供しなければならない義務、媒介業者Y2には駐車場として利用できるかどうかを調査し、説明する義務がある。それにもかかわらず、不正確な情報を提供し、または調査・説明を怠って購入・不購入の判断を誤らせ、損害を被らせたから、それぞれXに対して損害を賠償しなければならない。
②損害賠償
本物件の想定月額賃料は、駐車場2台分の収入を前提として合計29万9,680円であったところ、そのうち1台分の駐車場収入を得ることができなかったのだから、想定月額賃料は7.21%(2万1,600円=29万9,680円⇒7.21%)減少することになる。したがって、本物件の売買代金は5,680万円のうち、7.21%にあたる409万5,280円(5,680万円×7.21%=409万5,280円)が損害となる。また、精神的な損害も被っており、その額は200万円をくだらない。

売主Y1及び媒介業者Y2の言い分

①アパートの前面には物理的には2台の車両を駐車することが可能であるから、広告内容に虚偽はない。また、東京都建築条例による規制に関しては、建物における窓の位置その他の条件により相対的に決まるものである。一義的にその該当性を判断することはできないのであり、調査義務を課すことは、不動産取引実務に照らし、過度の負担を強いるものである。
②想定賃料は、想定上のものにすぎず、保証されているものではない。経済的な損害は発生していない。経済的な損害が発生していないことに照らせば、精神的損害が発生していると評価することもできない。

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本事例の結末

裁判所は、以下のとおりY1・Y2の説明義務違反を不法行為と認め、買主Xの精神的苦痛への慰謝料として60万円の支払いを命じた。ただし、Xが請求した収益減少による物件価格の下落分については、不動産の評価は収益のみによるものではないとして損害と認めなかった。
①本件売買契約時、駐車場部分のうちの一台分については、窓先空地又は避難経路として駐車場として賃貸することができなかったのであるから、これを駐車場と表現することは、収益物件としての売買目的物である本件土地建物の販売広告としては不正確な情報を記載したものであり、誤認を生じさせるものであった。
Y1は、建物を設計・建築し、駐車場部分が窓先空地又は避難経路であると認識していた又は認識し得たにもかかわらず、不正確な販売広告を作成して、Y2に提供し、Y2が平面図を転載して販売広告を作成して、Xに土地建物の購入を勧誘していることからすると、不法行為が成立するというべきである。
また、Y2についても、宅建業者であることに照らすと、土地建物を収益物件として売買するに際して、土地建物にかかる法令上の制限について、誤解を生じさせる記載がある広告を使用しないようにする注意義務があると解するべきであり、収益物件として駐車場付きの物件である旨の記載のある販売広告を使用する前提として、駐車場部分を賃貸用の駐車場として使用できるか否かについて調査する義務違反があったというべきであって、不法行為の成立を免れない。
②損害については、本物件が収益物件として売買されたとしても、不動産の評価は収益のみではなく、周辺の取引事例等の要素も考慮して判断されるのであり、経済的損害を認めることはできない。もっとも、正確な情報に基づき投資判断をする機会を失ったことについては、Y1及びY2の不法行為により精神的苦痛を被ったというベきであって、慰謝料額を60万円と認めるのが相当である(その他、弁護士費用の一部6万円を損害と認定)。

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本事例に学ぶこと

建築関連法規や条例には膨大な数があり、宅建業者においは、そのすべてのチェックが求められているわけではない。しかし、不動産の購入者にはそれぞれに購入動機があり、購入動機に直接に影響する法規制や条例による規制については、確実にこれを調査し、その結果を購入者に説明しなければならない。
投資目的の不動産購入につき、条例による規制が賃料収入に直接に影響を及ぼすような場合には、宅建業者としても、できる限りの調査を行って、その説明することは、宅建業者に求められている役割であるということになる。

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お客様へのお願い

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上記のように、「再発防止対策」「トラブル防止のポイント」に沿って、物件調査を基本に忠実に行なうには、不動産業者側にて相当な手間とコストが必要になります。
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お客様にはこの点を斟酌して頂いた上で、適正な仲介手数料をお支払い頂けると幸いです。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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