不動産仲介トラブル事例30:土地が公道に接していないこと、及び建物が隣接する国有地に越境していたことについて、売主と媒介業者の調査説明義務違反による損害賠償請求が認められた事例

本ブログでは、不動産業者向「令和4年度版 宅地建物取引士 講習テキスト」
記載の事例について記述します。

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紛争の内容

①買主X(個人、非宅建業者)は、平成22年12月1日、売主Y1(会社、宅建業者)から、Y2の媒介によって、土地建物を、売買代金8,500万円で購入した(売買対象の土地を「本件土地」、建物を「本件建物」という)。本件建物は、店舗兼用住宅である。
②本件土地は、北側が私道に接し、西側が細長い国有地(以下「本件国有地」という)に接している。本件国有地は、本件土地とは反対側の西側で公道(以下「本件公道」という)に接している(次頁の現況図面を参照)。本件土地の地積測量図は存在しない。
本件土地の南側と東側には隣地との境界を示す境界標が設置されていたが、北側及び西側には境界標が設置されていない。
本件土地の西側は、公図上、公道とされる部分と本件国有地が区別されていた。国有地については、地積測量図が存在していた。
③本件建物は、5階建ての店舗兼共同住宅であり、本件土地上に建てられているが、西側の一部が、本件国有地に越境している。た。なお、公道沿いには本件国有地以外にも帯状に国有地が連なっており、本件建物のほかにも建物がそれぞれの国有地上に建築された状態で一直線に並んでいる。
④本件売買契約の締結にあたり、Y1の従業員及びY2の従業員Aは、いずれも、Xに対し、本件土地は北側の私道と西側の本件公道に接した角地であり、本件建物には隣地への越境はない旨を説明し、その旨の重要事項説明書を交付した。また、Aは、重要事項説明書に、本件土地の建ぺい率には角地緩和がある旨も記載していた。
➄平成26年12月になって、初めて本件各国有地が本件土地の西側に存在することを知り、Xは、平成28年7月15日、本件国有地について、43万6,016円を支出し、これを買い取ることとなった。

<紛争関係図>

<物件の現況図面>

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各当事者の言い分

買主Xの言い分

①説明義務違反
Y1は売主として、Y2は媒介業者として、それぞれ本件土地の境界を明示する義務及び買主の契約判断に重要な影響を及ぼす事実について説明する義務を負い、また、これらの義務の前提となる調査義務を尽くす義務を負う。
公図には、道とされる部分と本件各国有地は区別して表示されているところ、Y1、Y2においては、公図等を調査し、本件各国有地は本件公道の一部ではないと判断すべきであった。それにもかかわらず、公図等の調査を行うことなく、本件土地が本件公道が接する角地である旨の事実と異なる説明をし、本件建物が本件国有地に越境している事実を説明しなかったのであって、調査、説明義務に違反したものとして、Xに対し債務不履行責任を負う。
②損害の有無及び額
Y1、Y2の調査、説明義務違反によって、本件国有地を買い取ることになり、買取代金等43万6,016円を支出した。また、本件土地が角地ではなかったのであるから、適正価格は、購入価格である8,500万円を下回る7,650万円であり、さらに、本件国有地の買取りへの対応を強いられるなどの精神的苦痛を被った。買取代金等、購入価格と適正価格の差額、慰謝料の合計が損害である。

売主Y1及び媒介業者Y2の言い分

①説明義務違反の有無
本件土地の北側及び西側には境界標は存在せず、本件土地の西側にはすぐに本件公道が走っており、また本件公道沿いの建物は一直線に並んで建てられている。この状況からみれば、本件各国有地は本件公道の一部をなしていると判断するのが通常である。Y1は、前所有者から、公道との非接道や越境は知らされていない。
また、本件土地には地積測量図が存在せず、土地の形状や面積から、本件建物が本件国有地に越境していると認識することはできなかった。
加えて、この売買は公簿売買であって、新たな測量をしないことについてXも了承していた。以上から、Y1及びY2において本件土地の測量をして越境の有無を調査すべき義務があったとはいえない。
②損害の有無及び額
本件国有地の買取りについては、Y1、Y2に責任はなく、また、特定物である売買の目的物を取得することができているのであるから、価格の下落や慰謝料請求は認められない。

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本事例の結末

裁判所は、以下のとおりY1・Y2の調査・説明義務違反を認め、国有地の買取代金等を損害として買主Xへの賠償を命じた。ただし、Xが請求した適正価格との差額や慰謝料については損害と認めなかった。

①説明義務違反の有無

売買契約の締結当時、公図上に本件国有地が本件公道とは区別されて記載されていたから、宅建業者であるY1.Y2は、これにより、本件国有地が公道の一部ではなく本件建物の敷地になっている可能性を疑うべきであった。加えて、本件各国有地の地積測量図が存在していたのだから、Y1.Y2はこれにより本件各国有地の位置や形状を確認することもできたのであって、この越境の可能性を十分に認識可能であったと考えられる。Y1Y2は、本件土地の地積測量図が存在していなかったことや、本件土地の西側に境界標が存在していなかったことを免責事由として指摘するが、これらはむしろ越境の可能性を疑うべき事情であるというべきである。
そうすると、Y1.Y2において、本件建物が本件国有地に越境している可能性を疑うべき事情が複数存在していたのに、必要な調査を怠り、本件建物は本件土地上に存在しており越境はないという事実に反する説明をしたものであって、本件売買契約又は本件媒介契約上の調査、説明義務違反がある。

②損害の有無及び額

本件国有地の買取代金等の支出43万6,016円は、Y1、Y2の調査、説明義務違反による損害であり、買主Xに賠償すべき責任を負う
しかし、その他の請求については損害と認められない。本件売買契約は公簿売買による特定物売買であったところ、Xは、契約の目的たる本件物件を入手しているのであるから、適正価格との差額について損害を被ったとはいえない。また、金銭的な請求にかかる事件については、その給付を受けることにより損害自体が填補されることから、特段の事情がない限りは慰謝料請求を基礎づけるべき精神的苦痛は生じないといえるから、慰謝料も損害とは認められない。

③過失相殺

Y1、Y2は、宅建業者であるにもかかわらず、一般人であるXに対し、本件各国有地の存在すら説明していなかったのであって、Xにおいて、本件土地の測量を求めなかったことに過失があるとは認められない。

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本事例に学ぶこと

本事例の特徴は、公道ではない隣接地(国有地)が公道と並行して帯状に存在し、その土地に越境をしていた複数の建物が、本件建物を含め、直線に並んでいたことである。また、本件土地と隣接地との間には境界標が設置されていなかった。そのため、一見しただけでは土地が公道に接道せず、建物が越境していることがわからなかっただけでなく、むしろ現地に赴き、見分を行うことによって、境界と越境に関する誤解を生じさせる状況となっていた。
経験を有する宅建業者は、現地見分によって、権利関係を推測できることが多い。現地の状況から権利関係を推測することは否定されるべきではなく、効率的な業務の上で推奨されるべきであろう。しかし、宅建業者の判断が、現地見分による推測だけにとどまり、公図や書類の調査を怠るようなことがあれば、深刻なミスをおかすことにもなる。本事例は、接道と越境について説明をしなかった事案ではあるが、それが無知が故に生じたのではなく、現地見分による思い込みによって生じたものであった。
本事例によって、現地がいかなる状況であっても、公図などの資料の確認を欠かしてはならないことを学ぶことができる。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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