業者に不動産を安売りして後悔した方、必見!買取業者が転売した取引について

本ブログでは、買取再販業者が不動産物件を買い取り、その後転売した際の差益に関するトラブル事例を記述致します。

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はじめに

(1)買取転売について


不動産取引において、宅建業者が中古物件を買い取り、リノベーションの上で転売するというビジネスは、実務上しばしば行われています。
【中古物件の売主側からみたメリット】
①早く現金化できる。
②宅建業者がリノベーションすれば、契約不適合責任の負担を軽減できる等。
【宅建業者からみたメリット】
高く転売できれば大きな利益を得られる。

(2)宅建業法が定める報酬制限について

宅建業法第46条(報酬)において、代理・媒介の報酬には上限が定められており、これは、消費者保護の趣旨の規定でもあります。
今回は、不動産の所有者が、その不動産を売却する際に、宅建業者が媒介ではなく直接買い受け、転売をした取引において利益を得たことが、不法行為に当たるのか争われたケースをご紹介します。

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トラブル事例

(1)当事者

①売主A(高齢者)・・・Aは売買契約後死亡。
②宅建業者Yとその従業員Z(共同被告)
③売主Aの息子X(原告)
④隣地に住む方(購入希望者)

(2)事実関係


ア 平成13年1月頃:
宅建業者Yの従業員Zは、弁護士の紹介により、Aが土地建物を売却したいと考えていることを知り、Aの自宅を訪れた。以後、Zは、Aの自宅や、後にAが入居した老人ホームを訪問していた。また、物件の調査をし、固定資産評価額をもとに売買代金は1,500万円で提案。Aは、本件物件の売却を依頼し、Zが宅建業者Yの従業員として担当することになった。
イ 同年6月頃:
Zは、本件物件周辺の住民を訪ね、本件物件についての情報収集を行ったり、本件物件の購入希望者を探すなどしていた。
ウ 同年8月頃:
隣地に住む方から、本件物件について話が聞きたい旨の連絡が従業員Zにあり、従業員Zが本件物件についての説明を行ったところ、本件物件の売買価格について尋ねられたことから、2,100万円ほどと伝えた。その後、隣地に住む方から再び従業員Zに連絡があり、本件物件を2,100万円で購入したい旨の意向が伝えられた。
エ 平成13年9月1日
宅建業者Yは、本件物件を売主Aから1,500万円で買い取り、同日、隣地に住む方(購入希望者に対して本件物件を2,100万円で売却した。なお、これらの売買契約における売買代金は同日にそれぞれ支払われました。
オ 売主Aは、平成21年9月10日に死亡した。なお、売主Aは、本件売買契約後も、従業員Zとは家族ぐるみの交流を、自身が亡くなるまで続けました。
カ 息子X(原告)は、宅建業者Y(被告)とその従業員Z(被告)に対し、
①宅建業者Yとその従業員Zが行った行為は、いわゆる介入行為(※1)、サヤ抜き行為であり、宅建業法第46条1項、2項(報酬額の制限)についての規定を潜脱(※2)するものであり、善管注意義務及び宅建業法第31条1項における義務(以下「信義誠実義務」という。)に反するものである。
②宅建業者Yとその従業員Zは、売主Aが当時87歳の高齢であり不動産取引に無知であることに乗じて買受を希望する者の存在を告げずに本件売買契約を締結させたのであり、この行為は告知すべき重要な事実を告げずに売主Aの錯誤を利用して本件売買契約を締結させたものであり、このような行為は詐欺行為に当たる。
③売主Aは、本来であれば買受を希望する者に対して本件物件を2,100万円で売却しその代金を得ることができたにもかかわらず、宅建業者Yとその従業員Zの上記行為により1,500万円の代金しか得ることができず、これら金額の差額である600万円の損害を被った。
・・・等と主張し、
宅建業者Yとその従業員Zに対して、不法行為に基づく損害賠償として、金600万円と遅延損害金を請求しました。

※1介入行為:不動産の売却の仲介を依頼された者が、自らが買主となって依頼物件を取得すること。
※2潜脱:一定の手段とその結果を法が禁止している場合において、禁止されている手段以外の手段を用いて法の規制を免れること。

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解説

※令和2年の民法改正により「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に改められましたが、この裁判例は民法改正前の裁判例になりますので、当時の「瑕疵担保責任」という用語をそのまま用いて解説してまいります。

(1)本件の争点

本件の主な争点は、本件取引における宅建業者Yとその従業員Zの行為が、いわゆる介入行為等に該当し、民法上の不法行為民法第709条:不法行為による損害賠償、民法第719条:共同不法行為者の責任に該当するか否かという点です。
息子Xの主張に対し、宅建業者Yとその従業員Zは、本件取引は正常な取引行為であり、売主Aから文句も言われることなく、むしろ感謝されていた。また、本件物件を媒介によらずに、宅建業者Yが売主Aから買い取るとした場合の利点としては、
①スピード(契約成立、決済までの期間短縮)
②確実性(即金一括払いで、各種停止条件、解約等のリスクが低い)
③安心感(商品化できるまでのコスト、労力等がなく、瑕疵担保責任等の売却後の紛争発生リスクが低い)
がある。
一方、欠点としては、
買取価格について、宅建業者Y自らが対象物件を購入し転売する際のリスクや商品化コストを勘案した価格となり、媒介による価格よりも低額となることが挙げられる。
⇒宅建業者Yと従業員Zの主張
売主Aは、本件物件売却に伴う瑕疵担保等の法的紛争に巻き込まれるリスクを回避すべく、当初から一貫して宅建業者Yによる本件物件の買い取りを希望していた等と主張し、息子Xの主張に対して、全面的に争いました。

(2)裁判所の判断

ア 裁判所は、
「宅建業法第46条が宅建業者による代理または媒介における報酬について規制しているのは、一般大衆を保護する趣旨をも含んでおり、これを超える契約部分は無効であることや、宅建業法第31条1項により信義誠実義務を負うことからすれば、宅建業者が、その顧客と媒介契約によらずに売買契約により不動産取引を行うためには、当該売買契約についての宅建業者とその顧客との合意のみならず、媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備する必要があり、これを具備しない場合には、宅建業者は売買契約による取引ではなく、媒介契約による取引に止めるべき義務があるものと解するのが相当である。」と述べました。
イ 裁判所は、本件取引の過程における事実関係を検討したうえで「本件取引について、売主Aからは何ら苦情は出ず、本件取引後から売主Aが死亡するに至るまで、売主Aは従業員Zやその家族と親密な関係にあったことからすれば、本件取引が売主Aの意に反して行われたものとは認められない。」と認定しました。
ウ 裁判所は、宅建業者Yとその従業員Zが主張していた「媒介契約によらずに売買契約による利点」が本件取引において存在したか否かについて検討したところ、
①スピード
売主Aが従業員Zに対して、本件物件を売却したいとの意向を示したのが平成13年1月であるのに対し、本件売買契約が締結されたのは同年9月11日であることからすれば、この点について売主Aに利益がもたらされたとはいえない。
②確実性
本件売買契約締結は、本件転売契約締結と同一日に行われているのであり、これら契約締結がなされるまで、宅建業者Yが売主Aとの売買契約を解消する余地は残されていたことからすれば、本件取引において当該利点が存在したものと認めることはできない。
③安心感
本件取引において本件物件は現況有姿のままで取引されており、商品化のコスト等は不要であった。また、本件売買契約には売主Aの瑕疵担保責任(現在の契約不適合責任)の減免について何ら記載がなく、当該契約上は売主Aに有利な条項が含まれているものとは認められない。
宅建業者Yと従業員Zが主張する本件売買契約締結の利点は、「売主Aにおいて、買受人ではなく、宅建業者Yとの間で取引をすることのみとなる」と指摘しました。
エ 裁判所は、従業員Zの供述にも着目しました。
具体的には、従業員Zは「売主Aに対して媒介契約と売買契約の双方について説明した」と供述するが、売主Aから従業員Zに対して、売買契約による旨の意向がどのように示されたかについて明確な供述はなされておらず、他にこれを認めるに足る証拠はないことからすると、本件物件の売却について、媒介契約と売買契約という2つの選択肢があること及び各契約の利害得失について、従業員Zより説明がなされ、売主Aがこれをきちんと理解した上で本件売買契約の締結を選択したかについて、合理的な疑いが残ると指摘しました。
オ その結果、売主Aにおいて、本件物件の売却について、媒介契約ではなく売買契約により行い、かつ宅建業者Yが本件取引により、本件売買契約における代金額である1,500万円の4割にも及ぶ600万円もの差益を得たことについて、その合理性を説明することはできないから、本件売買契約により本件物件を売却したことについて合理的根拠を具備していたものと認めることはできない。
そして、宅建業者Yと従業員Zには、少なくともそれらの合理的根拠が具備されていないにもかかわらず売買契約である本件取引により本件物件の取引を行った過失が認められるから、息子Xに対し、共同不法行為として連帯して損害賠償をする義務(民法第719条)を負うものであると、判断しました。
カ なお、損害額については差額の600万円ではなく、媒介手数料相当額(72万4,500円)を控除した額527万5,500円)を損害として認め、宅建業者Yと従業員Zに対し、527万5,500円および遅延損害金を賠償するように命じました。

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ケーススタディ

(1)本件は、売主から物件の売却を依頼された宅建業者が、売却先を探す過程であらかじめ購入希望者を確保しておき、自ら購入して転売することによる差益を得たことによるトラブルについて裁判所が判断を下したケースです。
(2)本判決は、不動産の所有者がその不動産を売却する際に、宅建業者が媒介ではなく直接買い受ける取引においては、「媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備する必要があり、これを具備しない場合には、宅建業者は売買契約による取引ではなく、媒介契約による取引に止めるべき義務がある。」と判示した上で、宅建業者側が主張する買取を選択したことの合理性について詳細な検討を行い、その主張を退けたものといえます。
(3)宅建業者には、宅建業法第31条1項の信義誠実義務が課せられており、同法第46条において、媒介報酬には上限が定められています。他にも、取引態様の明示義務同法第34条2項や、業務に関する禁止行為同法第47条1号等、取引の安全・消費者保護の見地から様々な行為規制が定められています。
もし、宅建業者による買取及びその後の転売による利益取得行為を何らの限定なく
認めたのでは、宅建業法第46条が定めた報酬制限を潜脱することになってしまいます。
そこで、裁判所が、宅建業法に定める行為規制を潜脱する行為は許されないという規範を定立(※)したことについては、実務上参考になります。
※定立:ある事柄を肯定的に主張すること。命題を立てること。

裁判例は、売買の媒介を依頼された宅建業者が、依頼者の承諾なしに自ら買主あるいは売主となっていわゆる介入行為を行い、これによって利ザヤをかせぐことは信義誠実義務に違反するものと解しています。自ら介入行為をなす場合のみならず、第三者を介在させ、これによって利益を得る場合についても同様の考えが成り立ち得ます。

≪参考≫宅建業者による利益取得の当否が問題となった裁判例
●浦和地裁昭和58年9月30日判決
本件は、いわゆる土地転がしによって、転売利益と媒介報酬との二重の利益を得ようと考え、本件土地所有者からその売却の媒介依頼を受けた宅建業者が、同業者と打合せのうえ、所有者と同業者との間で売買契約を締結させ、次に、当該同業者と他の買主との間で売買契約を締結させることにより、同業者に転売利益を得させた事案です。この宅建業者は、売主と同業者から報酬を得たのですが、さらに買主に対しても媒介報酬を請求しました。
買主は、本来であれば売主と買主で直接売買契約を締結させるべきであったのに、その中間に同業者を介在させ、譲渡価格に上乗せした代金の支払いをさせたうえに、さらに媒介報酬を請求することは、信義則違反、権利の濫用であると主張しました。
裁判所は、宅建業者間で利益を得させることは、媒介依頼者の犠牲において不動産媒介業者相互間で利得を測ることを許容することになりかねず、宅建業法第46条の規定を没却(※)することになると述べ、当該宅建業者が買主に対して媒介報酬を請求する行為が、信義則違反、権利の濫用に当たり許されないと判断しました。
※没却:なくすこと。無視すること。

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おわりに

このように、もし売主が媒介を希望しているにもかかわらず、買取(売買契約)に切り変える際には、合理的根拠を具備する必要があります。これを具備しない場合には、宅建業者は売買契約ではなく、媒介契約による取引に止めるべきですので、注意が必要です。
また、媒介契約を締結した宅建業者は、媒介契約の目的物について売買または交換の申し込みがあったときは、遅滞なくその旨を依頼者に報告すべき義務があります(宅建業法第34条の2第8項)。この報告義務を怠ると監督処分を受けるリスクがありますので、ご留意ください。
宅建業者には、消費者保護、ひいては国民が安心して不動産取引ができるように宅建業法において様々な行為規制が課されています。

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もし、買取再販業者への不動産売却が、①スピード、②確実性、③安心感といった「媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備」していないケースであれば、裁判により
(買取再販業者の転売による差益 - 仲介手数料)
相当額を、取り戻す事ができるかもしれません。
是非、弊社 株式会社アダチの「不動産取引やめさせ屋」サービス
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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

安達孝一が書いた記事

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