おじさんのNOTE03:人間の結びつきについて――なお、本当の発見とはどんなものか――

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本ブログは、吉野源三郎 著「君たちはどう生きるか」より一部抜粋しています。
本来の対象読者は小中学生ですが、お客様や取引先、同業の不動産業者にも役立つ内容が
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前編

コペル君。
君の発見を、世界中の誰よりも先に、僕に打ち明けてくれて、どうもありがとう。さっそく返事をあげたいけれど、あした君のうちに行くことになっているから、そのとき会って話すことにしよう。
だがその前に、あの手紙を読んで考えたことを、僕は、このノートに書きつけておくことにする。そうすれば、いつか君がこのノートを読むとき、君はもう一度、今度の発見を思い出し、僕の言葉を考えてみるだろうから。僕はあの手紙を読んで、お世辞でなく、本当に感心した。自分であれだけ考えていったのは、たしかに偉いことだと思った。僕なんか、君ぐらいの年には、あんなことは思ってもみなかった。君が発見したようなことを、はっきりと考えるようになったのは、僕が高等学校にはいってからで、それも本を読んで教えられたからだった。
しかし、あれを読んで、君に考えてもらいたいと思ったことが、いろいろある。それを一つ二つ、コペル先生に申しあげておこう。

君は、「人間分子の関係、網目の法則」という名前より、もっといい名があったら言ってくれ、と手紙に書いたね。僕はいい名前を一つ知っている。それは、僕が考え出したのではなくて、いま、経済学や社会学で使っている名前なんだ。
実は、コペル君、君が気がついた「人間分子の関係」というのは、学者たちが「生産関係」と呼んでいるものなんだよ。
人間は生きてゆくのに、いろいろなものが必要だ。そのために、自然界にあるいろいろな材料を使って、いろいろなものを作り出さなければならない。自然界にあるものを取ってきて、そのまま着たり食べたりするにしても、やっぱり、狩りをしたり、漁をしたり、山を掘ったり、何かしら働かなければならない。ごくごく未開の時代から、人間はお互いに協同して働いたり、分業で手分けをして働いたり、絶えずこの働きをつづけてきた。こればかりは、よすわけにいかないからね。
ところで、人間同志のこういう関係を、学者は生産関係と呼んでいるんだ。
最初、人間は地球の上の方――に、ごく少数のかたまりを作って生きていたから、こういう協同や分業も、その狭い範囲の中だけで行われていた。その時代には、自分たちの食べたり着たりする物ができあがるのに、どういう人が骨を折ってくれたか、すっかり見通しだ。
おそらく、みんなが顔見知りの間柄だったろうし、作る品物だって簡単なものばかりだったろうし、第一、狩りをしたり漁をしたりするときには、みんな総がかりでやったに違いないから、自分の食べる物や着る物が、どういう人のおかげでできたのかなどということは、考えてみないでもわかっていただろうと思う。
ところが、そのうちに、そういう小さな集まり同志の間に、品物の交換が行われたり、縁組がはじまったりして、だんだん人間の共同生活が広くなってきた。人間の集まりも大きなものになってきて、とうとう国というものを作るようになった。もうこの頃になると、協同や分業もだいぶ大規模となり、その関係が複雑になって、自分たちの食べる物や着る物を見たって、いったい誰と誰とがこのために働いたんだか、いちいち知るわけにはいかない。
作る方だって、自分の作ったものを、誰が食べたり着たりするんだか、見当はつかない。
ただ、働いていろいろなものを作り出し、その代わり、自分や自分の家族に必要なものをもらうとか、さもなければ、そういう必要品を買うための金をもらうとか、それが目あてで作り出すんだから、誰が着るか食べるかは、その人たちには問題じゃあない。
それから、もっと時代が進んで、商業が盛んに行われるようになり、国と国との間にさえ取引が行われるようになると、人間同志の関係は、ますますこみ入ってくる。
たとえば、支那の農民が、お金を儲けようと思って蚕をかい、生糸をとって売ると、それが回り回ってロ――マの貴族の着物になるという風だ。こうなると、品物を作り出すためばかりじゃあない、それを運ぶためにも、大勢の人間が協同して働き、その間にさまざまな分業が行われてくる。そうして、世界の各地がだんだんに結ばれていって、とうとう今では、世界中が一つの網になってしまった。
もう今日では、日本の製糸会社が生糸をとるのでも、紡績会社が木綿を作るのでも、日本人が絹や木綿にこまらないようにと考えてしているのではない。また、まず日本人の必要を満たし、あまったら外国へ売ろうなどと考えてやっているのでもない。はじめから、外国の市場に売りこむことを目あてに、大規模に生産しているんだ。
つまり、人間同志の世界的なつながりを土台にして、その上で仕事をしているわけだね。ィンドや支那の何億という人――には、日本の木綿物や雑貨が必要だし、また、日本人にとっては、オーストラリアの羊毛やアメリカの石油が、なくてはこまるものとなっている。

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中編

こういうわけで、生活に必要なものを得てゆくために、人間は絶えず働いてきて、その長い間に、いつの間にか、びっしりと網の目のようにつながってしまったのだ。そして、君が気がついたとおり、見ず知らずの他人同志の間に、考えてみると切っても切れないような関係ができてしまっている。誰一人、この関係から抜け出られる者もない。
むろん、世の中には、自分で何も作り出さない人がたくさんあるけれど、そういう人たちだって、ちゃんとこの網目の中にはいっているんだ。生きてゆく上には、一日だって、着たりたべたりしないではいられないから、やっぱり、なんとかこの網目とつながっていなければならないわけだろう。働かないでも食べてゆけるという人――は、それはそれで、この網目と、ある特別な関係がちゃんとできているんだ。
今日、世界の遠い国と国の住民同志が、どんなに深い関係になっているかということは、また折を見て話すとして、とにかく、ここに言ったような関係が人間の間にあって、それを学者たちは、「生産関係」と呼んでいる。つまり君は、粉ミルクから考えていって、この関係に気がついたのだ。君が大きくなると、一通りは必ず勉強しなければならない学問に、経済学と社会学がある。こういう学問は、人間がこんな関係をつくって生きているということから出発して、いろいろ研究してゆく学問だ。
たとえば、時代と共に、この関係がどんなに変わってきたかとか、この関係の上にどんな風俗や習慣が生まれてきたかとか、また、現在それがどんな法則で動いているか、などということを研究している。
だから、君の発見したことというのは、こういう学問の上では、出発点になっていることで、実は、もうとっくにわかっていることなんだ。

こういうと、君は、さぞがっかりすることだろうね。せっかくの発見が、とっくに人に知られていたというんでは、つまんないなあと思うかもしれないね。
しかし、コペル君、決してがっかりしてはいけない。君が、誰にも教わらないで、あれだけのことを発見したのは、立派なことなんだよ。たとえ、それが学問上わかり切ったことであっても、僕は、やっぱり君に敬服する。君ぐらいの年で、あれだけ考えてゆくことは、容易にできることじゃないもの。
ただ、君に考えてもらわなければならないのは、本当に人類の役に立ち、万人から尊敬されるだけの発見というものは、どんなものか、ということだ。
それは、ただ君がはじめて知ったというだけでなく、君がそれを知ったということが、同時に、人類がはじめてそれを知ったという意味をもつものでなくてはならないんだ。
人間は、どんな人だって、一人の人間として経験することに限りがある。しかし、人間は言葉というものをもっている。だから、自分の経験を人に伝えることもできるし、人の経験を聞いて知ることもできる。その上に、文字というものを発明したから、書物を通じて、お互いの経験を伝えあうこともできる。
そこで、いろいろな人の、いろいろな場合の経験をくらべあわすようになり、それを各方面からまとめあげてゆくようになった。こうして、できるだけ広い経験を、それぞれの方面から、矛盾のないようにまとめあげていったものが、学問というものなんだ。
だから、いろいろな学問は、人類の今までの経験を一まとめにしたものといっていい。そして、そういう経験を前の時代から受けついで、その上で、また新しい経験を積んできたから、人類は、野獣同様の状態から今日の状態まで、進歩してくることができたのだ。
一人一人の人間が、みんないちいち、猿同然のところから出直したんでは、人類はいつまでたっても猿同然で、決して今日の文明には達しなかったろう。
だから僕たちは、できるだけ学問を修めて、今までの人類の経験から教わらなければならないんだ。そうでないと、どんなに骨を折っても、そのかいがないことになる。骨を折る以上は、人類が今日まで進歩してきて、まだ解くことができないでいる問題のために、骨を折らなくてはうそだ。その上で何か発見してこそ、その発見は、人類の発見という意味をもつことができる。また、そういう発見だけが、偉大な発見といわれることもできるんだ。
これだけいえば、もう君には、勉強の必要は、お説教しないでもわかってもらえると思う。偉大な発見がしたかったら、いまの君は、何よりもまず、もりもり勉強して、今日の学問の頂上にのぼり切ってしまう必要がある。そして、その頂上で仕事をするんだ。
しかし、そののぼり切ったところで仕事をするためには、いや、そこまでのぼり切るためにだって、――コペル君、よく覚えておきたまえ、君が夜中に目をさまし、自分の疑問をどこまでも追っていった、あの精神を失ってしまってはいけないのだよ。

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後編

それから、最後にもう一つ。君が生きてゆく上に必要な、いろいろな物をさぐってみると、みんな、そのために数知れないほどたくさんの人が働いていたことがわかる。それでいながら、その人たちは、君から見ると、全く見ず知らずの人ばかりだ。このことを、君はへんだなあと感じたね。広い世間のことだから、誰も彼も知り合いになるなどということは、もちろん、できることじゃあない。
しかし、君の食べるもの、君の着るもの、君の住む家、――すべて君にとってなくてならないものを作り出すために、実際に骨を折ってくれた人――と、そのおかげで生きている君とが、どこまでも赤の他人だとしたら、たしかに君の感じたとおり、ヘんなことにちがいない。
へんなことにはちがいないが、今の世の中では、残念ながらそれが事実なんだ。人間は、人間同志、地球を包んでしまうような網目をつくりあげたとはいえ、そのつながりは、まだまだ本当に人間らしい関係になっているとはいえない。だから、これほど人類が進歩しながら、人間同志の争いが、いまだに絶えないんだ。
裁判所では、お金のために訴訟の起こされない日は一日もないし、国と国との間でも、利害が衝突すれば、戦争をしても争うことになる。君が発見した「人間分子の関係」は、この言葉のあらわしているように、まだ物質の分子と分子との関係のようなもので、人間らしい人間関係にはなっていない。
だが、コペル君、人間は、いうまでもなく、人間らしくなくっちゃあいけない。人間が人間らしくない関係の中にいるなんて、残念なことなんだ。たとえ「赤の他人」の間にだって、ちゃんと人間らしい関係を打ちたててゆくのが本当だ。
――もちろん、こういったからといって、何も、いますぐ君にどうしろ、こうしろというわけではない。ただ、君が大人になってゆくと共に、こういうことも、まじめに心がけてもらいたいものだと思っていうんだ。これは、人類が今まで進歩してきて、まだ解決のできないでいる問題の一つなんだから。では、本当に人間らしい関係とは、どういう関係だろう。
――君のお母さんは、君のために何かしても、その報酬を欲しがりはしないね。君のためにつくしているということが、そのままお母さんの喜びだ。君にしても、仲のいい友だちに何かしてあげられれば、それだけで、もう十分うれしいじゃないか。人間が人間同志、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない。そして、それが本当に人間らしい人間関係だと、――コペル君、君はそう思わないかしら。

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資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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