おじさんのNOTE02:真実の経験について

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本ブログは、吉野源三郎 著「君たちはどう生きるか」より一部抜粋しています。
本来の対象読者は小中学生ですが、お客様や取引先、同業の不動産業者にも役立つ内容が
含まれています。

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前編

コペル君。昨日、君が興奮して話してくれた「油揚事件」は、僕にもたいへん面白かった。君が、北見君の肩をもち、浦川君に同情しているのを聞いて、あたりまえなことだけど、僕はやっぱりうれしかった。まあ、かりに君が山口君の仲間で、叱られて出てきた山口君といっしょに、コソコソと運動場の隅に逃げていったのだとしてみたまえ。お母さんや僕は、どんなにやり切れないか知れやしない。「お母さんも僕も、君に、立派な人になってもらいたいと、心底から願っている。君の亡くなったお父さんの、最後の希望もそれだった。だから君が、卑劣なことや、下等なことや、ひねくれたことを憎んで、男らしい真っ直ぐな精神を尊敬しているのを見ると、なんといったらいいか、ホッと安心したような気持ちになるんだ。
君にはまだ話さなかったけれど、君のお父さんは、亡くなる三日前に僕をそばへ呼んで、君のことを頼むとおっしゃった。そして、君についての希望を僕に言いおいておかれた。「わたしは、あれに、立派な男になってもらいたいと思うよ。人間として立派なものにだね」この言葉を、僕は、ここにしっかりと書きとめておく。君は、これをおなかの中にちゃんとみこんで、決して忘れちゃあならない。僕も、この言葉だけは、おなかの底にグッと収めて、決して忘れまいと考えているんだ。
こうして、このノートブックに、いつか君に読んでもらうつもりで、いろんなことを書いておくのも、実は、お父さんのこの言葉があるからなんだ。

君も、もうそろそろ、世の中や人間の一生について、ときどき本気になって考えるようになった。だから僕も、そういう事柄については、もう冗談半分でなしに、まじめに君に話した方がいいと思う。こういうことについて、立派な考えをもたずに、立派な人間になることはできないのだから。そうはいっても、「世の中とはこういうものだ。その中に人間が生きているということには、こういう意味があるのだ」などと、一口に君に説明することは、誰にだってできやしない。よし、説明することのできる人があったとしても、このことだけは、ただ説明を。聞いて、ああそうかと、すぐに呑みこめるものじゃあないのだ。
英語や、幾何や、代数なら、僕でも君に教えることができる。しかし、人間が集まってこの世の中を作り、その中で一人一人が、それぞれ自分の一生をしょって生きてゆくということに、どれだけの意味があるのか、どれだけの値打ちがあるのか、ということになると、僕はもう君に教えることができない。それは、君がだんだん大人になってゆくにしがって、いや、大人になってからもまだまだ勉強して、自分で見つけてゆかなくてはならないことなのだ。
君は、水が酸素と水素からできていることは知ってるね。それが一と二との割合になっていることも、もちろん承知だ。こういうことは、言葉でそっくり説明することができるし、教室で実験を見ながら、ははあとうなずくことができる。
ところが、冷たい水の味がどんなものかということになると、もう、君自身が水を飲んでみないかぎり、どうしたって君にわからせることができない。誰がどんなに説明してみたところで、その本当の味は、飲んだことのある人でなければわかりっこないだろう。
同じように、生れつき目の見えない人には、赤とはどんな色か、なんとしても説明のしようがない。それは、その人の目があいて、実際に赤い色を見たときに、はじめてわかることなんだ。
――こういうことが、人生にはたくさんある。たとえば、絵や彫刻や音楽の面白さなども、味わってはじめて知ることで、すぐれた芸術に接したことのない人に、いくら説明したって、わからせることは到底できはしない。殊に、こういうものになると、ただ目や耳が普通に備わっているというだけでは足りなくて、それを味わうだけの、心の目、心の耳が開けなくてはならないんだ。しかも、そういう心の目や心の耳が開けるということも、実際に、すぐれた作品に接し、しみじみと心を打たれて、はじめてそうなるのだ。まして、人間としてこの世に生きているということが、どれだけ意味のあることなのか、それは、君が本当に人間らしく生きてみて、その間にしっくりと胸に感じとらなければならないことで、はたからは、どんな偉い人をつれてきたって、とても教えこめるものじゃあない。
むろん昔から、こういうことについて、深い知恵のこもった言葉を残しておいてくれた、偉い哲学者や坊さんはたくさんある。今だって、本当の文学者、本当の思想家といえるほどの人は、みんな人知れず、こういう問題について、ずいぶん痛ましいくらいな苦労を積んでいる。そうして、その作品や論文の中に、それぞれ自分の考えを注ぎこんでいる。たとえ、坊さんのようにお説教をしていないにしても、書いてあることの底には、ちゃんとそういう知恵がひそめてあるんだ。だから、君もこれから、だんだんにそういう書物を読み、立派な人々の思想を学んでゆかなければいけないんだが、しかし、それにしても最後の鍵は、ーコペル君、やっぱり君なのだ。君自身のほかにはないのだ。君自身が生きてみて、そこで感じたさまざまな思いをもとにして、はじめて、そういう偉い人たちの言葉の真実も理解することができるのだ。数学や科学を学ぶように、ただ書物を読んで、それだけで知るというわけには、決していかない。
だから、こういうことについてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。君が何かしみじみと感じたり、心の底から思ったりしたことを、少しもゴマ化してはいけない。そうして、どういう場合に、どういう事について、どんな感じを受けたか、それをよく考えてみるのだ。
そうすると、ある時、ある所で、君がある感動を受けたという、くりかえすことのないただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかってくる。それが、本当の君の思想というものだ。
これは、むずかしい言葉でいいかえると、常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ、ということなんだが、このことは、コペル君!本当に大切なことなんだよ。ここにゴマ化しがあったら、どんなに偉そうなことを考えたり、言ったりしても、みんな嘘になってしまうんだ

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中編

僕やお母さんは、君のなくなったお父さんといっしょに、君に向かって、立派な人間になってもらいたいと願っている。世の中についても、人間として生きてゆくことについても、君が立派な考えをもち、また実際、その考えどおり立派に生きていってくれることを、僕たちは何より希望している。だから、なおさら、僕がいま言ったことを、よくよく呑みこんでおいてもらいたいと思うんだ。
僕もお母さんも、君に立派な人になってもらいたいと、心から思ってはいるけれど、ただ君に、学業ができて行儀もよく、先生から見ても友だちから見ても、欠点のあげようのない中学生になってもらいたい、などと考えているわけじゃあない。
また、将来君が大人になったとき、世間の誰からも悪くいわれない人になってくれとか、世間から見て難の打ちどころのない人になってくれとか、いっているわけでもない。
そりゃあ、学校の成績はいい方がいいにきまっているし、行儀の悪いのはこまることだし、また、世間に出たら、人から指一本さされないだけの生活をしてもらいたいとも思うけれど、それだけが肝心なことじゃあない。そのまえに、もっともっと大事なことがある。
君は、小学校以来、学校の修身で、もうたくさんのことを学んできているね。人間としてどういうことを守らねばならないか、ということについてなら、君だって、ずいぶん多くの知識をもっている。それは、無論、どれ一つとして、なげやりにしてはならないものだ。だから、修身で教えられたとおり、正直で、勤勉で、克己心があり、義務には忠実で、公徳は重んじ、人には親切だし、節倹は守るし......という人があったら、それは、たしかに申し分のない人だろう。こういう円満な人格者なら、人々から尊敬されるだろうし、また尊敬されるだけの値打ちのある人だ。しかし、君に考えてもらわなければならない問題は、それから先にあるんだ。もしも君が、学校でこう教えられ、世間でもそれが立派なこととして通っているからといって、ただそれだけで、いわれたとおりに行動し、教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、――コペル君、いいか、それじゃあ、君はいつまでたっても一人前の人間になれないんだ。子供のうちはそれでいい。しかし、もう君の年になると、それだけじゃあダメなんだ。
肝心なことは、世間の目よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。
そうして、心底から、立派な人間になりたいという気持ちを起こすことだ。いいことをいいことだとし、悪いことを悪いことだとし、一つ一つ判断をしてゆくときにも、また、君がいいと判断したことをやってゆくときにも、いつでも、君の胸からわき出てくるいきいきとした感情に貫かれていなくてはいけない。
北見君の口癖じゃあないが、「誰がなんていったってー」というくらいな、心の張りがなければならないんだ。
そうでないと、僕やお母さんが君に立派な人になってもらいたいと望み、君もそうなりたいと考えながら、君はただ「立派そうに見える人」になるばかりで、ほんとうに「立派な人」にはなれないでしまうだろう。「世間には、他人の目に立派に見えるように、見えるようにと振る舞っている人が、ずいぶんある。そういう人は、自分がひとの目にどう映るかということを一番気にするようになって、本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。僕は、君にそんな人になってもらいたくないと思う。だから、コペル君、くりかえしていうけれど、君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。それを忘れないようにして、その意味をよく考えてゆくようにしたまえ。

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後編

今日書いたことは、君には、少しむずかしいかもしれない。しかし、簡単にいってしまえば、いろいろな経験を積みながら、いつでも自分の本心の声を聞こうと努めなさい、ということなんだ。そこで、君は、もう一度あの「油揚事件」を思い出してみたまえ。何が君をあんなに感動させたのか。なぜ、北見君の抗議が、あんなに君を感動させたのか。山口君をやっつけている北見君を、浦川君が一生懸命とめているのを見て、どうして君が、あんなに心を動かされたのか。

なお、浦川君については、君は、浦川君が少し意気地がなさすぎるという意見だが、僕もそう思う。浦川君がしっかりしていれば、ああまで馬鹿にされないですむのだ。
しかし、浦川君のような立場にいながら、少しもひるまずに山口君たちをおさえてゆけるなら、その人は英雄といっていい。浦川君がそういう英雄でないからといって、浦川君を非難するのは、まちがっているね。浦川君のような人は、まわりの人が寛大な目で見てあげなくてはいけないんだ。
まして、浦川君自身が、自分をいじめた山口君をゆるしてやってくれと頼むほど、寛大な、やさしい心を示したんだからね。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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