不動産仲介トラブル事例13:その他のトラブル事例(建物)

本ブログでは、不動産業者向「ヒヤリハット!不動産仲介トラブル事例集」
記載の事例について記述します。

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建物の傾斜による瑕疵担保責任

概要

仲介会社が売買の媒介をした築後15年の既存住宅で、引渡しから半年以上経過した後に、買主から、「生活しているうちに建物が傾斜していることに気がついた。「水平器」で計測したところ、居間の床部分に約1,000分の5の傾斜がある。これは瑕疵物件ではないか。」と仲介会社にクレームがありました。

対策

仲介会社には、準委託契約の受任者として善管注意義務をもって業務を行わなければならず、買主が物件購入の意思決定を左右する事実については説明告知する義務がありますが、容易に知ることのできない事実について、すべて調査し説明すべきとまではいえません。
この事例では、買主が建物の傾斜の事実について、半年以上経って気がついたということですから、仲介会社がこれを容易に知ることができたとはいえず、仲介会社に調査説明義務違反があったとはいえないと思われます。
建物の傾斜の原因は大きく分けて2つあります。1つは建物の床組の欠陥による傾斜で、もう1つは束石(つかいし)や地盤そのものの不同沈下による建物の傾斜です。したがって、いずれもその原因が隠れたところにあり、一見して傾斜の有無もわかりにくく、その傾斜の度合が一定以上の場合には、入居者の日常生活や健康面にも支障を来たす可能性があるため、瑕疵担保責任の対象となり得ます。
建物の傾斜の事実が瑕疵担保責任に問われる可能性があるため、仲介会社として、売主と買主が感情的になることがないように留意すべきです。
買主の「居間の床部分に約1,000分の5の傾斜がある」との主張に対して、まずは、売主に原因の心当たりを確認(たとえば、ピアノの重量による床の沈下可能性など)したうえで、協議を進めることになります。
その傾斜の度合がどの程度以上であれば「瑕疵(契約不適合)」になるかについての判断指標ですが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」及び「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準(国土交通省告示第七二一号)」で、新築の家では、基準点より1,000ミリ離れた所で3ミリ以下(3/1,000以下)、中古住宅では、基準点より1,000ミリ離れた所で6ミリ以下(6/1,000以下)が許容範囲内とされています。
この事例では、引渡し後に建物の傾斜がトラブルの原因となりましたが、建物の不具合に関する事実は、購入者が入居すれば、すぐに分かることです。仲介会社としては、トラブルの可能性を未然に防ぐことが重要です。既存建物の媒介にあたっては、水平器やゴルフボール、パチンコ玉を持参して事前に調査し、傾斜があれば、売主に状況を説明したうえで、購入検討者に告げることが紛争を未然に防止することになります。

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ウッドデッキのシロアリ被害と瑕疵担保責任について

概要

仲介会社が「ウッドデッキ付」の築25年の既存戸建住宅の売買を媒介したところ、引渡し後、売主の瑕疵担保責任期間である3か月が経過する前に、買主から、「ウッドデッキの土台部分にシロアリ被害が発見された。これは建物の瑕疵じゃないか。」とクレームがありました。

対策

まず、ウッドデッキが「建物」に当たるかという問題がありますが、ウッドデッキが建物本体と分離していたとしても、建物本体と一体になっていたとしても、ウッドデッキそのものは、建物と一緒に、その付帯の設備(動産)として売買の対象にされたわけですから、その瑕疵(シロアリ被害)の程度いかんによっては、売主は、その付帯設備(動産)の「隠れた瑕疵」に対し責任を負うということになります。
その場合の売主の瑕疵担保責任の期間は、特段の事情がない限り、建物と同じ「3か月」とみるべきだと思われます
また、この取引では、仲介会社が「ウッドデッキ付」ということで広告をし、買主がそれを見て購入したという事実もあることから、ウッドデッキは、「使えるもの」として取引されたとみるべきで、「使えるもの」が「使えない」くらいにシロアリ被害を受けているのであれば、「瑕疵」があるということになります。引渡し後、買主が特別な調査なしに、容易に被害を発見したのであれば、売主が「知りながら告げなかった」可能性があるといえます。
ただし、被害の程度が軽微であれば、その部分については、「経年劣化」ということで売主には責任がない可能性もあるため、状況の確認と売主・買主による協議は避けられないでしょう。
このようなトラブルを避けるためには、仲介会社として、目視による建物調査を徹底し、売主に対して告知書(物件状況報告書)の重要性を十分に理解してもらったうえで、取引を行うことが重要となります。

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改正民法について

2020年4月1日に施行された改正民法において、「瑕疵担保責任」に替わり、「契約不適合責任」の規定が設けられました。本事例は、民法改正前のものですが、トラブルの発生原因が物件の瑕疵によるもので、隠れた瑕疵により契約の目的を達することができない点については、契約不適合責任においても同様に判断される可能性が高く、今後の取引においても参考になると思われることから、「その他の事例」として採用しています。

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お客様へのお願い

最近、仲介手数料の大幅値引き依頼をされるお客様が散見されます。
上記のように、物件調査を基本に忠実に行なうには、不動産業者側にて相当な手間とコストが必要になります。
お客様にて仲介手数料の過大な値引き依頼をされると、物件調査のコストが捻出できず、物件調査の品質に影響が出てしまいます
お客様にはこの点を斟酌して頂いた上で、適正な仲介手数料をお支払い頂けると幸いです。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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