もしも、認知症になったら?「転ばぬ先の杖」としての「後見」と「家族信託」

2022-04-08

ノウハウ

不動産の所有者が、認知症になってしまったら、どうなるのか?
私が認知症になってしまったら、妻や子への相続はどうなってしまうのか?
私の親が認知症になってしまったら、一体どうなるのか?

もし、これらの点が気になるのであれば、「転ばぬ先の杖」として、
「後見」と「家族信託」について考えてみるのも、価値があります。

ここでは、「後見」と「家族信託」の概略について記載致します。

※「後見」と「家族信託」の詳細につきましては、
  弁護士、司法書士等のプロフェッショナルに確認する事を推奨致します。

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成年後見

成年後見制度は、家庭裁判所が選んだ成年後見人に、判断能力が著しく低下した「被後見人」の財産管理、契約行為、身上監護を任せる制度です。利用するには家庭裁判所への申立てを要します。

被後見人の家族も成年後見人になれますが、家族に多額の借金があったり、被後見人の財産が高額だったりする場合は弁護士や司法書士などの専門家が成年後見人に選ばれやすいです。

成年後見人の役目は、判断能力が低下した被後見人のために財産を維持、管理し、法律行為を代行し、生活をサポートすることです。
そして成年後見制度は、財産の「維持と管理」に権限が限られています。投資は財産が減るリスクがあり「維持と管理」から外れるため、財産を積極的に投資して、増やそうとする行為などは認められません。

投資とまではいかずとも、たとえば、被後見人の所有する収益用マンションの老朽化で減った入居者を増やすためのリフォーム工事であっても、正当な理由と認められない場合があります。なぜなら目的がどうであれ、財産を目減りさせる行為には変わりないからです。

また被後見人が居住する不動産を売却したいケースでも、成年後見人は勝手に売買契約を締結できません。被後見人の居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要なうえに、その許可も「どうしても不動産を売却しなければならない理由」がなければ下りないからです。

※ 不動産の売買契約後、売主様が認知症になってしまった場合、
  1) 家庭裁判所による「成年後見」の決定にまでに、約2か月、
  2) 「被後見人の居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可」に、約1か月
  かかります。
  また、「被後見人の居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可」につきましては、
  家庭裁判所は、かなり保守的な判断をする事が多く、居住用不動産の売却後の介護施設への
  入居が決まっており、かつ、売却代金が介護施設の入居費用や生活資金に充当できると
  認められないと、許可が出ない事が多いです。

このように、成年後見人はさまざまな制限を受けているため、財産管理や運用、処分の面では家族信託のほうが自由度が高いと言えます。しかし、家族信託の受託者に認められていない「身上監護」の権利が、成年後見人に認められている点は無視できません。

※ 「身上監護」の権利:老人ホームへの入居手続きや、病院への入退院手続きなど、
            本人の生活に関する法律行為を行うこと

法定後見人であれば、本人が行った法律行為の取り消しができます。
例えば、親が、悪徳業者などに不利益になる契約を持ち出され、誤って契約締結してしまったというようなケースでも、後見人が後から取り消すことができるため安心です。

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成年後見のデメリット

成年後見制度のデメリットの中でも、財産管理の不自由さ以外の問題点を簡単に説明します。

その問題点とは「成年後見をやめるタイミングを選べない」ことです。成年後見は、一度開始すると被後見人が死亡するか症状が完治するまで続きます。被後見人の資産内容によっては、被後見人の生涯にわたって成年後見人や成年後見監督人への報酬(専門家報酬)を払い続けなければならないのです。

この報酬は、被後見人の居住用不動産の価値を基に、家庭裁判所が決定します。
居住用不動産の価値が5000万円の場合、月額報酬が3万円程度になります。
この場合、被後見人の存命期間が10年間の場合は累計360万円、20年の場合には累計720万円の
報酬(専門家報酬)が必要になってしまいます。

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財産管理の自由度が高い家族信託

家族信託は比較的新しい財産管理、承継方法です。成年後見や任意後見に比べると財産管理や処分、承継の自由度が高くなっています。

本人を「委託者」「受益者」、子どもや孫など信頼できる家族を「受託者」として、
財産の管理・運用・処分を託します。

不動産を信託財産にしておけば、信託契約内容の範囲内で自由に管理・処分できます。
家族信託なら、遺言では不可能な「自分が死んだ後の財産の行方や管理方法」まで指定できます。
あらかじめ家族信託を契約しておくことで、認知症になった人の財産が塩漬けになるのを防いだり、生前贈与に代わる手法として用いたりも可能です。

例えば、信託契約の中に、投資やリフォーム工事、不動産の売買契約の締結等を含んでおけば、
「受託者」は、本人に代わって不動産を売却する事もできます。
方法によっては、もしものときの生活費をキープしておくことも可能です。

家族信託は、弁護士や司法書士、家庭裁判所等の第三者から介入されることなく家族だけで財産の管理を完結することが可能です。第三者に関与されたくない場合には、家族信託が有効です。

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家族信託のデメリット

成年後見制度とは違って受託者に「身上監護権」が原則認められていないため、注意が必要です。
また、家族信託の場合
・専門家への相談料
・公正証書の作成費用、手数料
・登録免許税 など
にて、約50万円 ~ 100万円の初期費用が、かかってしまいます。
さらに、例えば、本人所有の1棟アパート等の収益不動産を家族信託の信託財産とした場合、
本来は本人のところに行くべき賃料収入を、「受託者」たる家族が私用に流用してしまう
懸念がある点も、デメリットになります。

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まとめ

認知症への「転ばぬ先の杖」として、「後見」と「家族信託」を紹介しました。
「後見」は「被後見人を守る」点に力点が置かれていますが、その分、財産処分の柔軟性が頑なに
なっており、本人の財産が厳重に管理されます。また、累計の報酬(専門家報酬)も高めになってしまいます。
但し、後見人に「身上監護」の権利が認められている点には留意する必要があります。
一方、「家族信託」ですが、財産管理や処分、承継の自由度が高くなっています。
また、初期費用は高いですが、累計の費用は、「後見」よりも安くなる事が多いです。
さらに、財産処分の柔軟性がある分、「受託者」による私的流用の懸念も考えられます。

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安達孝一

部署:本店

資格:宅地建物取引士、定期借地借家権プランナー、 2級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント、 日本仲人協会 マリッジアドバイザー

日々、情熱・魂(ゲミュート)・鋼鉄の意志で生きています。

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